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自民党の質問・意見書等

能登地震の教訓活かした施設整備を急げ


道政上の諸課題について

(1)次期創生総合戦略について
安住議員

人口減少傾向を反転させる鍵となる東京一極集中の是正に、国を挙げて取り組む必要がある。一方で、道独自の対策の柱の一つが本社機能の地方移転だが、現行の支援制度ではインセンティブとして極めて不十分。知事は次期創生総合戦略の策定に当たり、どのような対策が必要と考え、今後対応していく考えか伺う。

鈴木知事

道では人口減少の「緩和」と人口減少社会への「適応」の観点から、より実効性ある施策展開の検討を進めている。全国知事会や知事有志とも連携し、政府の強力なリーダーシップによる大学や企業の本社機能等の分散など、必要な対策の実施を国に一層強く働きかけてまいる。


(2)子供施策について
安住議員

新たなこども基本条例の骨子案には、道独自に保護者や学校関係者等の責務を定め、子供の社会参加や居場所づくり等を基本的施策に盛り込むとしているが、どのような考え方で規定するのか伺う。また、北海道こども計画の骨子案については、実効性に疑問を持たざるを得ず、当事者である子供や若者をはじめ道民の意見をどう反映するのか伺う。

鈴木知事

子供たちが社会参画を実感できる環境づくりを進めるとともに、社会全体で子供の育ちを支えることが重要との考えで新条例の骨子案を示した。北海道こども計画の策定では、道こども施策審議会で各施策の取り組み実績や数値目標達成状況、課題について評価したほか、子供たちと意見交換するなどの取り組みを進めている。


(3)次世代半導体複合拠点形成等について
安住議員

ラピダス社に給水を予定する工業用水の道による水質調査で、有機フッ素化合物(PFAS)が国の飲用水向け暫定目標値を上回った。どう道民の不安を払拭するのが適切と考えるのか。

鈴木知事

ラピダス社は最新鋭の排水処理装置導入で規制PFASを除去し、モニタリングを行い、排水に問題が生じた場合は、排水を遮断して再処理するなど適切に対応するとしている。道も千歳川で独自のモニタリングを行い、丁寧迅速な情報発信に努める。


(4)GX金融・資産運用特区について
安住議員

道は地方税優遇策について、既存の優遇策を最大限活用しつつカバーしきれない部分を優遇することを基本に、GX投資に係る不動産取得税の全額控除のほか、法人事業税、法人道民税も最大10年間全額控除する案などを検討している。しかし、対象事業者には道内企業も含まれるため誘致競争が過熱し、固定資産税優遇が見込まれる札幌市など道央圏への投資集中が懸念される。道は今後どう対応する考えか。

鈴木知事

国のさまざまな支援が得られる地域未来投資促進法の制度活用に必要な全道域対象の基本計画策定を目指して、各市町村に丁寧に説明し、策定後も意向を十分尊重する。来年度からの制度導入に向けて検討を加速していく。


(5)食の輸出拡大戦略について
安住議員

道は今年度から始まる第Ⅲ期食の輸出拡大戦略策定にあたり、中国による水産物輸入停止の影響等を考慮し、目標とする道産食品の輸出水準設定を見送っているが、道としての姿勢を明らかにする時期に来ている。知事の見解を伺う。

鈴木知事

新たな目標水準を盛り込んだ改訂素案を年内に示し、道議会の議論や道民、業界団体等の意見を伺い、年度内に取りまとめる。食産業の一層の発展に向け、オール北海道で取り組みを進める。


(6)観光振興について
安住議員

観光振興を目的とした新税(宿泊税)について、知事が直接道民や宿泊事業者などと向き合う機会をもっと早く設定すべきだった。道民や市町村、宿泊事業者の理解は新税導入の大前提。今後どのように対応していくのか。

鈴木知事

新税導入後の施策の在り方などを幅広く意見交換するべく準備している。引き続き、私自身が直接お話を伺うほか、制度や使途の詳細の検討を深め、多くの方にご理解いただけるよう不断の努力をしてまいる。


(7)北海道総合教育大綱の改定について
安住議員

今回の改定では、国のこども大綱や教育振興基本計画の要素の反映を主な狙いとする一環として、基本理念までが大幅に書き換えられ、首をかしげざるを得ない。本道にとってどのような理念による教育施策の推進が必要か、原点に立ち返り検討すべき。見解を伺う。

鈴木知事

社会情勢の変化や国の動きに加え、本道特有の課題も踏まえ、「学び」と「育ち」の両方の政策の緊密な連携を図る観点から検討を進めている。年度内の改定に向け、総合教育会議でさらなる協議、検討を進めてまいる。


(8)道総研の次期中期目標について
安住議員

道立総合研究機構の業務実績は、技術相談や技術指導の実施などいずれも目標を下回る状況が続き、研究本部ごとの取り組み状況も示されていない。次期中期目標では、従来以上に意欲的な目標を研究本部ごとに示す必要がある。見解を伺う。

鈴木知事

関係機関や道各部のニーズを踏まえた研究テーマを設定し、有する知見や技術、技術指導等をPRするよう示す必要がある。企業等の要望に応じたサービスの提供や情報発信力の強化、研究本部ごとの目標設定の在り方について検討を進め、第4回定例会に次期中期目標案を示す。


(9)札医大の次期中期目標について
安住議員

道の素案では、専攻医の確保数を新たな指標に掲げている。専攻医は初期臨床研修終了後7年間、札医大や道内医療機関で従事する確約書提出が条件の受験枠を設けているが、道外に就職先を求める学生が少なくないと聞く。道は確実な専攻医確保策の検討を求めるべきと考える。見解を伺う。

鈴木知事

札医大では学生や初期臨床研修医との面談回数を増やすなど確保策の強化・継続に加え、より北海道の地域医療に特化したプログラムの充実など、確約書の実効性が高まる取り組みを検討している。引き続き札医大と連携し、専攻医の確保に取り組んでまいる。


(10)防災対策について(略)

交付金を活用してヒグマ対策を加速せよ


(11)交通政策について
安住議員

JR北海道の維持困難線区(黄線区)について、8線区全てで実行計画が策定されたが、本道の鉄路全体の利用促進やJR北海道の抜本的な経営改善に結び付ける必要がある。道は今後どのように対応する考えか。また、収穫期を迎え、JR貨物の車両検査不正による物資輸送への支障を懸念する声がある。道の対応について伺う。

鈴木知事

JRと沿線地域との協議の円滑化に取り組み、全道的な観点からも鉄道利用促進策を展開し、鉄道網の維持・活性化に取り組む。また、JR貨物に対し原因究明や再発防止に加え、安定的な輸送の確保に向け早急に対策を講じるよう申し入れ、荷主や物流関係者、行政等と情報共有を図った。


(12)ヒグマ対策について
安住議員

道は本定例会に、国が創設した交付金を活用したヒグマ対策加速の補正予算を提案しているが、実効性あるヒグマ対策をどう進めるのか伺う。

鈴木知事

ゾーニング管理推進のモデル事業に加え、ヘアトラップ調査拡充によるモニタリング強化、捕獲従事者の育成などに取り組む。環境省に対し、市町村でも交付金を活用できる制度構築を求めるとともに、必要な予算額確保の要望などヒグマ対策の充実・強化に取り組む。


(13)アイヌ政策の推進について
安住議員

道が6年ぶりに実施したアイヌ民族の生活実態調査では、居住市町村平均比で生活保護率や大学進学率などに差が見られ、アイヌ施策推進法の内容を十分知らない人が多かった。今後どのように取り組む考えか伺う。

鈴木知事

国民意識調査について国と調整を進めるほか、道民意識調査にアイヌに関する設問を盛り込み、職員が全道各地に出向くなど情報収集に力を入れ、学識者や当事者からなる検討会議を設置し、「アイヌ政策推進方策」に代わる次期方策の策定に向けた検討を進める。


(14)介護人材の確保について
安住議員

道内の介護職の有効求人倍率は3・11倍で全業種を大きく上回る。国の推計では道内の介護職員数が令和8年度には11万3千人必要と見込まれ、これまで以上に支援強化を図る必要がある。今後どのように取り組んでいくのか。

鈴木知事

適切な給与水準が確保できる介護報酬の設定をさまざまな機会を通じて国に要望しており、今後も実態に即した制度となるよう強く求めていく。


(15)中小企業対策について
安住議員

北海道労働局は道内の最低賃金を時給1010円とし、10月1日からの適用を決めた。経済の好循環実現が期待される一方で、厳しい状況にある中小企業の経営の維持継続が困難になる事態も懸念され、きめ細かな支援が必要。道はどのように支援していく考えか。

鈴木知事

適切な価格転嫁の推進のほか、伴走型経営相談や制度融資、賃上げと併せ生産性向上に資する設備投資等を行う企業を支援する「業務改善助成金」など、各種支援制度の周知や利用促進を図り、事業者の経営基盤を強化し、賃上げに対応していけるよう取り組む。


(16)道立広域公園について
安住議員

道は昨年7月、白糠町を道内12カ所目の道立広域公園候補地に決定し、官民連携を重視した新たな道立公園整備の検討を進めている。早期の事業着手に向けた取り組みも必要。今後どのように進めるのか。

鈴木知事

事業化に向けて公園のコンセプトや主要施設に加え、サウンディング型市場調査を踏まえた官民連携の方向性などを盛り込んだ基本構想を本年中に策定してまいる。


(17)水田農業の将来像について
安住議員

道内の水田農業を巡る情勢は、人口減少に伴う米の国内消費の減少、猛暑による米の品質低下など多くの課題がある。令和3年には水田活用の直接支払交付金が見直され、営農や地域の将来像が見通せないとの声が多く寄せられた。どのように本道農業の将来像を示し、実現に取り組むのか伺う。

鈴木知事

需要に応じた米生産を基本に、輸入依存度の高い作物の安定生産など、本道水田農業の目指すべき方向性や先行事例などを示し、地域のビジョンづくりを支援する。実現に向け、水田活用直接支払交付金の円滑な運用をはじめ、生産基盤の計画的な整備やスマート農業による省力化、北海道米の消費拡大や輸出促進などを総合的に展開し、水田農業の持続的な発展に取り組む。


(18)スマート農業の推進について
安住議員

農業の担い手の減少や高齢化が進む中、スマート農業技術活用促進法が10月に施行される。道内では国の補助制度を活用した実証事業などに取り組んではいるものの、高額な機器の導入費用や専門人材の不足、情報通信環境整備など多くの課題が山積している。農業者が将来にわたり営農を継続し、本道がわが国の食料供給地域としての役割を果たしていくため、どう取り組んでいくのか。

鈴木知事

ほ場の大区画化、普及センターによる相談対応、新技術の発信、指導的な役割を担う人材の育成、機械のレンタルなどを行う「農業支援サービス事業体」の育成などを進めながら、地域の実情に応じたスマート農業を積極的に推進していく。


(19)北海道の豊かな海づくりの推進について
安住議員

昨年9月、北海道で38年ぶりとなる第42回全国豊かな海づくり大会が開催された。道議会でも超党派の条例化検討会議を立ち上げ、「北海道水産業・漁村振興条例」の一部改正案を本定例会に提出するべく準備している。盛り上がった機運を大きく広げ、本道における豊かな海づくりを一層推進すべき。知事の見解を伺う。

鈴木知事

栽培漁業や水域環境の保全、地域資源の利活用などの取り組みを一層推進し、来年度から新たに「北海道豊かな海づくり大会」をオール北海道で開催していく。


(20)森林由来クレジットについて
安住議員

国の「Jクレジット制度」を活用し、道は令和4年度から上川、網走地域の道有林2万6千㌶を対象に大規模なクレジットの創出モデルに取り組み、本年から販売を開始する見込み。道内市町村や林業関係者の期待は大きい。どのように販売するのか。また、ゼロカーボンの実現に寄与するクレジットの創出・販売を全道約60万㌶の道有林に広げ、民有林にも展開するために、森林吸収源対策推進計画の見直しも必要と考える。所見を伺う。

鈴木知事

全国の企業等に購入してもらえるよう、本道の森林の優位性を全面に出したPR手法の導入や長期の協定など、多様な販売方法を検討している。クレジットを活用した森林整備が各地で展開されるよう、計画を年度内に改正し、取り組みを強化していく。