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自民党の質問・意見書等

道政上の諸課題について

(1)道政運営の基本的な考え方について
太田議員

新型コロナの感染拡大によって、北海道はこれまで経験したことのない新たな時代に突入している。道は北海道総合計画を見直す考えを報告し、総合開発委員会や道議会の意見を踏まえて検討することとしている。目指すべき方向性を、知事が指し示し、道民に安心感を与える必要がある。道政運営に関する基本的な考えを伺う。

鈴木知事

ウィズコロナの中で、将来にわたり誰もが安心できる社会を構築することはもとより、広域分散というハンディをリスク分散や地域の多様性という強みに変えて、食料の安定供給や都市一極集中の是正、地球温暖化への対応など、わが国の持続的発展に貢献する北海道づくりに取り組んでいく。


(2)本道経済の活性化に向けた基本方針について
1.経済活性化に向けた理念
太田議員

感染症の拡散により、大手製紙会社など大規模な製造事業所の撤退や縮小などの動きが相次いでおり、地域経済への影響を懸念する声が強まっている。どのような理念の下で経済活性化に向けた基本方針の見直しを進めていく考えなのか。

鈴木知事

自然や食などの優位性を活かすとともに、ゼロカーボンを目指すなど、本道の価値を経済活性化に結び付けていくことが重要。感染症の長期化を見据えた中小・小規模企業の経営力の強化策を基本方針に盛り込み、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済対策として取り組みを進めていく。


2.重点化(略)

(3)行財政運営について
1.財政運営
太田議員

感染症が国全体の税収や財政にどう影響するのかを見通すことができず、国がどんな地方財政対策を打ち出すのかも不透明なことから、道が検討する新たな行財政運営方針に、中長期の収支見通しを盛り込むことができない状況になっている。令和3年度予算編成にどう臨む考えなのか。

鈴木知事

暫定的な対策として、コロナ禍における施策の見直しを通じた経費節減、財務体質の改善に継続して取り組むこととした。一般財源総額の確保や税収減を補填する新たな仕組みの創設を国に強く求めるとともに、社会情勢の変化を捉えたゼロベースの事業の再検討などにより収支不足の解消と財源確保に取り組んでいく。


2.行政運営

(1)書類規制等の見直し(略)

(2)スマート道庁(略)


デジタル化は本道にとって大きなチャンス


(4)北海道Society5.0推進計画について
太田議員

先日の委員会で、Society 5.0推進計画原案が報告された。リモートをキーワードとして経済社会が回る時代になることは、首都圏などから離れている本道にとって大きなチャンスといっても過言ではない。情報通信技術の専門家を迎え入れるなど、計画を推進する体制を整備する必要があると考えるが、どう取り組んでいくのか

鈴木知事

先進的なノウハウの導入や、多くの分野にまたがる関係者との連携が必要と考えており、外部の専門家の活用、他の自治体や国におけるデジタル化推進の動向を踏まえ、検討を進めていく。


(5)交通政策について
太田議員

JR北海道が平成31年4月に発表した経営ビジョンの前提は、コロナ禍の影響で崩れ、抜本的な対策の強化が不可欠な状況。航空路についても減便や運休が相次ぎ、バス事業者も危機的状況に陥っている。道民の足を守るために、今後どのように対応していくのか。

鈴木知事

就任当初から「手話を広める知事の会」に参画し、手話言語法の制定に向けて国に要請している。道としてもろう者が地域で安心して暮らせる社会の実現に向け、積極的に取り組んでいく。


(6)物流政策について
太田議員

知事は7月に国に対し、JR北海道への支援、北海道と本州間における持続的かつ安定的な物流の確保を図るための方策を講じるよう強く求めた。最近では民間団体において「第2青函トンネル」構想プロジェクトを立ち上げる動きも出ている。物流に関する課題にどう対応するのか

柏木交通企画監

トラックドライバー不足が顕在化する中、農産物の収穫期における貨物量の増大などによる、輸送体制の維持・確保が課題となっている。鉄道などの各輸送モード間の役割分担や連携方策などについて検討を進めるとともに、安定的な物流の確保を国に求めていく。


(7)特定放射性廃棄物の処分場に関する文献調査について
太田議員

8月に寿都町長が文献調査への応募を検討していることが明らかになって以来、多くの議論が交わされてきた。11月には経済産業大臣がNUMOの事業計画変更を認可し、寿都町と神恵内村で文献調査が始まることとなった。知事はこの状況をどう受け止め、どう対応していく考えなのか。

鈴木知事

担い手の方々が将来に希望を持ち安心して営農に取組めるよう、地域の声を受け止め、市町村や農業団体などの意向を踏まえ、パワーアップ事業の継続に向けて検討していく。


(8)北方領土返還について
太田議員

知事は根室市長をはじめとする関係団体と、国会や政府に北方領土返還促進に関する要望を実施したが、今年はコロナ禍の影響もあり、四島交流事業や共同経済活動の検討が停滞を余儀なくされた。北方領土問題の解決に向けてどう取り組んでいくのか。

鈴木知事

道では今年7月、緊急に取りまとめた対策に基づき、付加価値を高めた冷凍水産物の普及や学校給食の食材にホタテを提供するほか、経営が厳しい漁業者や漁協への支援に取り組んでいるが、給食用の魚種拡大や食育活動の促進に加え、関係団体と連携して消費や流通の一刻も早い回復に向けた取り組みを加速し、漁業収入安定対策のさらなる拡充を国に要請するなど、本道水産業の振興に努める。


(9)職員の規律保持について
太田議員

最近、道職員や教職員、警察職員による不祥事が相次いでいる。農地整備工事に関する官製談合防止法違反の容疑で道職員2人が逮捕される事案や、道警職員がスピード違反の取り締まりに関する虚偽有印公文書作成容疑で書類送検される事案が発生した。信頼回復に向け、職員の規律保持にどう取り組んでいくのか。

鈴木知事

道政に対する信頼を損ねる事態となった責任を強く感じており、深くおわび申し上げる。不祥事の発生を受け、直ちに全職場で倫理研修を実施した。コンプライアンス会議や職場研修など、あらゆる機会を通じて注意や指導を繰り返し、職員の法令順守や危機管理への自覚を一層高めていく。

警察本部長

犯罪を取り締まる立場にある警察官が違法行為を行ったことは誠に遺憾であり、深くおわび申し上げる。内部通報制度や通報窓口を周知するなど、風通しのよい職場環境の構築に努めている。信頼回復に向け、道警察の活動指針「道民とともに、道民のために、強く正しく」を実践し、治安維持に一丸となって取り組んでいく。


(10)建設産業の振興等について
太田議員

道発注工事は不当に低い価格で落札されることのないよう、最低制限価格制度や低入札価格調査制度の下で入札が実施されているが、人手不足の状況や資材価格高騰の影響が地域で異なることから、設計労務単価や最低制限価格についても、地域の実情に即して設定される必要がある。公共工事が建設産業の振興に果たす役割をどう認識しているのか。

小林建設部長

建設産業は社会資本整備、除雪、災害対応を通じ、地域の安心・安全や経済・雇用を支えており、安定的経営が重要と考える。発注後、資材価格の高騰や遠隔地からの技能労働者を確保する必要が生じた場合には、経費を追加計上しており、建設産業の持続的発展に努めていく。


(11)北海道地球温暖化対策推進計画について
太田議員

次期計画の策定が進められている地球温暖化対策推進計画について、2050年までに実質ゼロを目指し、温室効果ガス排出量や吸収量の目標、その実現のための施策が検討されている。2030年度の中期目標が重要になると考えるが、どう取り組んでいくのか。

鈴木知事

テレワークなどの省エネにつながる新たなビジネススタイルへの転換、住宅やビルの脱炭素化、水素を活用した自立・分散型のエネルギーシステムの構築などの取り組みを推進し、「ゼロカーボン北海道」の実現を目指す。


(12)医療人材の確保について
太田議員

看護職員の需給推計によると、2025年に地域偏在が今以上に拡大すると懸念されている。看護職員養成修学資金貸付制度の見直しについて、貸付金額や対象施設、返還免除要件を適切に設定し、偏在解消に繋げる必要がある。どう取り組んでいくのか。

鈴木知事

貸付金の増額、看護職員不足圏域への就業促進を図るための加算制度の新設、貸付金の返還免除対象施設の拡大などを検討しているほか、新たに在宅医療分野や定年前後の看護職員に対する研修会を開催する。


(13)本道農業・農村の振興について
1.北海道農業・農村振興推進計画(略)
2.パワーアップ事業
太田議員

道独自の農家負担軽減対策であるパワーアップ事業が、今年で最終年度を迎える。本道農業がわが国の食料安定供給に最大限貢献していくためには、この事業による生産基盤整備の促進が不可欠である。継続実施に関する見解を伺う。

鈴木知事

生産性や農業所得の向上、6次産業化など農村地域の振興にも寄与していると高く評価されており、事業継続を求める要望が多く寄せられている。地域の声を受け止め、事業を継続したいと考えており、具体的内容を早急に取りまとめる。


(14)本道水産業の振興について
太田議員

漁業制度の大きな見直しとなる改正漁業法が、12月から施行される。新たな資源管理の導入に伴うTAC管理の拡大は、魚種ごとの取り扱いが明らかになっておらず、漁業者の不安が募っている。国の水産政策の改革に向けて、道内の漁業関係者が一丸となって取り組む必要があるが、どう対応していくのか。

鈴木知事

漁業者への丁寧な説明に加え、自主的な資源管理の取り組みが反映され、漁業者の意向や実情を踏まえた制度となるよう、関係団体と連携し、国に強く働きかけていく。


(15)森林整備の推進について
太田議員

道は森林資源の循環利用を着実に推進するため、平成23年に「未来につなぐ森づくり推進事業」を創設し、伐採後の植林を進めてきたが、事業の計画期間が今年度で終了する。「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ」の実現に向けて、温室効果ガスの吸収源となる森林資源を守るために、事業継続が必要と考えるが、見解を伺う。

鈴木知事

国では関連法案の延長による植林の促進対策を検討していることから、地方に有利な財政措置となるよう働きかけるとともに、機械化やICT技術の活用によるスマート林業を一層進め、植林費用の所有者負担が軽減できるよう支援の継続を検討する。