知事は就任以来、道内各地を訪れ、市町村の方々と課題や将来展望を話し合う地域訪問事業に意欲的に取り組んでいる。また、食の輸出拡大や観光振興、アイヌ政策などの重要政策に関し、効果的な展開を図るための事業レビューを進めている。どのような形で、今後の政策展開につなげていく考えなのか。
地域の声を道政に反映するよう政策の進め方を検証し、スピード感を持って取り組んでいる。事業の必要性については前例にとらわれない新たな発想で官民連携の可能性を検討し、各部横断的な政策パッケージ化を進めるよう全庁に指示した。実効ある政策展開に全力を尽くす。
道は昨年12月、北海道SDGs推進ビジョンを策定し、将来にわたり安心して住み続けることができる、持続可能な地域社会の形成を推進する考え方を示した。SDGsについて道民理解も深まりつつあると考えるが、次期総合戦略にどう反映させるのか。
SDGsの達成を見据えた分野横断的な政策展開を、戦略推進の基本方針に追加した。地域で活躍する方々との連携・協働を強化し、地域創生に向けた取り組みの裾野の拡大を図っていく。
日米両首脳は米国産牛肉などの関税をTPP11の水準まで引き下げる方向で基本合意し、道内酪農・畜産業をめぐる競争環境は一層厳しくなると見込まれる。貿易交渉の結果を踏まえた対策の強化が求められるが、どう対処していくのか。
8月に関係団体と共に、国に国境措置の確保などを要請した。国に必要な対応を求めるとともに、生産基盤の整備や先端技術を活用したスマート農業の推進、輸出拡大に取り組む。
知事の目玉公約、ほっかいどう応援団会議を9月26日に立ち上げるべく、道は準備に取り組んでいる。同会議は行政課題を解決するため、企業や団体、個人をネットワーク化するものであり、実効あるものとするか否かは、官民連携を実現できるかにかかっている。どう構築していくのか。
企業にとってもメリットのあるプロジェクトを提案することが重要。クラウドファンディング等の民間資金を活用し、職員向けの事業立案の研修を開催するなど、具体の事業形成につながるよう取り組む。
ウポポイ来場者を誘致するには、旅行代理店に取り扱ってもらう必要があるが、展示内容が明らかにされていないことなどから、商品企画の検討に入れないという声も聞かれる。来場者100万人の目標達成に向けて、どう取り組みを加速していくのか。
アイヌ政策監の下に新設した担当局長を中心に、PRや情報発信、教育旅行の誘致、周辺環境の整備、交通アクセスの改善など、地元白老町と連携して受け入れ体制の整備を進め、オール北海道で取り組んでいく。
道は、観光振興を目的とする法定外目的税の導入に向けた考え方を明らかにしたが、宿泊税等の導入を検討している道内市町村は17団体に上り、今後も増加する可能性がある。どのように調整していくのか。
課税対象、道と市町村の役割を踏まえた税の使い道、税の負担水準等の具体的イメージを提示するなど、丁寧に調整を行い、観光振興に寄与する財源確保策について方向性の認識を一致させていく。
市町村との調整には時間を要すると考えるが、法定外目的税の導入に向けた判断をいつ行うのか。
市町村などに協力してもらいながら制度設計の検討・協議を進め、年内を目途に一定の方向性を取りまとめる。
道は統合型リゾート(IR)に関する道民意向をホームページ上のアンケートで実施する考えを示していたが、特定の意図を持った人が何度も回答を繰り返す可能性が高いとのわが会派の指摘により、グループインタビュー方式に改められた。道民意向は今後の議論に重要な影響を与える可能性があり、公平性や透明性が求められる。どのように道民の意向を把握するのか。
無作為に選んだ道民に対し、アンケート調査を行い、「IRに関して一定の情報を得た人が誘致についてどう考えるのか」という傾向、期待や懸念事項を把握する。地域説明会や外国人へのヒアリング、各種団体からの意見聴取などで幅広い意見を伺い、検討に役立てる。
国はパブリックコメント、都道府県等の意向調査を始めており、9月中にも結果を公表する。9月から11月にかけて意向把握を行う道の作業スケジュールでは、遅れをとることは明らかである。いつ判断を行うのか。
北海道の将来にとって何が大切かという視点に立ち、区域認定の申請機関なども十分考慮し、適切に判断をしていく。
昨年の訪日外国人来道者数は、前年比11・6%増の312万人を記録し、過去最高を更新した。最近の国際的な環境変化の影響等もあり、インバウンド需要に一部陰りが見えるが、現状をどう受け止め、どのように対処していく考えなのか。
道観光振興機構などと緊急対策として「秋の観光キャンペーン」を実施するほか、中国内陸部やASEANの市場開拓、アドベンチャートラベル、ヘルスツーリズムのPR、エアラインセールスを展開する。
道は道内7空港の一括民間委託について、北海道エアポートグループを優先交渉権者とすることを明らかにした。新千歳の発着枠を来春から1時間当たり42回から50回へ拡大する方針が発表されたが、地上支援業務の受け入れ体制や交通手段の確保に課題がある。一括民間委託の効果が最大限発揮されるよう、どう取り組む考えなのか。
空港運営事業者に地域と連携するための協議の場を設置するよう求めるとともに、交通対策や観光振興、地域活性化などの施策に取り組み、一括民間委託の効果を本道の活性化に最大限結びつけていく。
新幹線の高速化がJR北海道の収益改善に向けた戦略に盛り込まれているが、青函トンネル内の貨物列車との共用走行問題のため、国は貨物列車の減便を検討しているとの報道もある。どのような物流体系が望ましいのか。
輸送手段別の輸送能力や貨物量などについて調査を進めており、新幹線の高速化、本道経済を支える物流体系の確立に向けて検討を進めていく。
6月に幼児教育推進センターが道内に設置され、質の高い幼児教育に向けた取り組みが進められている。アイヌ施策やSDGsの推進など、多くの分野で北海道の発展に貢献できる人材の育成が求められるが、人づくりの推進にどうリーダーシップを発揮していくのか。
生まれ育った地域や家庭環境に左右されずに、将来の夢にチャレンジしてほしいという思いも込めて、総合教育大綱の見直しを行い、北海道の未来をけん引する人づくりに取り組んでいく。
消費税引き上げに伴い、中小企業や個人経営者が軽減税率やキャッシュレス化への対応に苦慮しており、支援強化が求められている。働き方改革関連法の施行により時間外労働の上限規制も始まるが、中小企業が維持・継続できるよう、どのように対応していくのか。
経営相談への対応、ICT利活用促進、販路拡大、不測の事態における事業継続のための計画策定支援などの施策を総合的に展開し、中小・小規模企業の経営安定と持続的発展に向けて全力で取り組む。
幌延深地層研究センターに関し、日本原子力研究開発機構から研究を継続したい旨の申し出があった。道では協定書に基づき、確認会議を開催し、申し出内容を確認していると承知しているが、いつ頃までに対応方針を決定する考えなのか伺う。
現時点では対応方向の決定時期を決めず、確認会議を通じて疑問や懸念が解消されるよう精査していく。
道は築後約40年を経過し、維持管理コストがかさむ知事公邸の廃止を決定した。災害発生時などでも速やかに意思決定を下せるよう、廃止後の周辺エリア全体のあり方について、どのような検討を行うのか示すべきではないか。
民間住宅を借り上げ公邸とすることとし、公務を円滑に遂行するため、道庁本庁舎や知事公館に近い場所を選定した。憩いの場としても親しまれているエリア全体のあり方について、皆さまの意見を伺いながら検討していく。
道営住宅の整備は、コンパクトなまちづくりや子育て世帯が安心して住むことのできる環境などのニーズへの対応に期待が高まっている。道営住宅が果たしてきた役割などを踏まえ、今後どのように整備を進めていく考えなのか。
民間事業者との連携が重要と考えており、早急に住宅対策審議会に諮問をし、来年夏ごろを目途に道営住宅整備活用方針を見直す。
道は平成24年に「性暴力被害者支援センター北海道」(通称さくらこ)を設置したが、複数の協力病院と連携する形のため、病院に相談機能を備えた「病院拠点型」に比べ、早期対応や利用のしやすさの面で大きな差がある。病院拠点型の導入を検討すべきではないか。
病院拠点型は被害者の負担軽減と早期回復を図る観点から有効と認識しており、性暴力被害者が安心して相談できる体制のあり方を早期に検討していく。
道は平成27年に「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、教育、福祉、労働等の関係部局が連携して、教育支援や生活支援、就労支援を進めている。計画期限の5年目を迎えているが、本道における子供の貧困の現状をどう認識し、どう対策に取り組んでいくのか。
本道は全国と比較して失業率や離婚率が高いことから、生活保護世帯・ひとり親世帯の割合が高い。一人ひとりが夢や希望を持つことができるよう、総合的な対策を推進する必要があり、実効性を確保するための道独自の指標や目標値を検討する。
道は医師不足解消に向けて地域枠を設定し、各大学に医師養成確保修学資金の貸付枠を配分しているが、貸付希望者が募集数を超えているにもかかわらず、貸付枠が残る事態も生じており、有効活用が十分に図られていない。地域枠制度をどう有効に機能させていくのか。
各医育大学に対して貸付枠の維持を要請するとともに、貸付枠のあり方なども含め、医療対策協議会で協議を行い、地域の医師偏在の解消に取り組む。
8月、聴覚障がい者情報提供施設「北海道聴覚障がい者情報センター」が、札幌のかでる2・7に開設した。利用者ニーズに適切に応えていくためには、専有スペースの確保が喫緊の課題となっている。どのように機能充実を図っていくのか。
ろうあ連盟との協議を踏まえ、令和2年度の面積拡充を決定した。遠隔手話サービス利用市町村の拡大、災害時の情報支援、拡充スペースの活用方法などについて、新設される運営懇話会で検討を進める。
空知や十勝、根室など道内5地域で、稲作や畑作、酪農などにおけるスマート農業技術の実証プロジェクトが進められている。労働力不足解消を図るためにはスマート農業の導入が不可欠であるが、どのように取り組んでいくのか。
本年度中にスマート農業の推進方針を取りまとめるとともに、導入に必要な排水対策やほ場の大区画化、通信環境の整備を一体的に進めていく。
海獣類を除く野生鳥獣による農林水産物被害額は、平成29年度47億円に達し、エゾシカによるものが83%を占めている。近年はダニ媒介性脳炎ウイルス感染の危険性があるアライグマの駆除や、家畜を襲うヒグマへの対応も積極的に進める必要があると考えるが、被害防止に向けどう取り組んでいくのか。
道では計画を策定し、生息数の管理あるいは駆除を進めており、国に対し必要な予算確保を要請するとともに、電気牧柵や緩衝帯の設置、市町村が連携した広域的な取り組みを一層進める。
森林環境税・森林環境譲与税に関する法律に基づき、譲与税が都道府県や市町村に譲与される。私有林面積が大きい市町村や、人口が多い市町村では譲与額が多額になるが、数年分をまとめなければ取り組みが難しい市町村もある。どのように市町村を支援していくのか。
今年度の総額は約12憶円で、百万円以下は17町村と試算されている。相談窓口の設置や、木造公共施設の優良事例や設計・施工のポイントをまとめたガイドブックの提供など、森林整備や木材利用が着実に進むよう支援していく。